1865年ジョルジュ・ファーヴル=ジャコがル・ロックルに時計工場を設立する。当初の社名は"Manufacture de montres"であったが、1900年の万博に新型懐中時計用ムーブメント「ゼニス」を出品し金賞を得、1911年会社名を"Fabriques des Montres Zenith SA"に変更している。日本では昭和初期国鉄に懐中時計が正式採用され「ゼニット」として親しまれていた。1940年代にはクロノメーター級の高精度を持った腕時計用のキャリバー135などの傑作ムーブメントを開発している。
1969年に自動巻きクロノグラフ、エル・プリメロを発表するが、クォーツショックにより経営危機に陥り、アメリカ企業であるアメリカン・ゼニス・ラジオに買収され、一時は機械式時計の製造を停止し図面や金型の破棄が命じられた。当時の技術者シャルル・ベルモ(Charles Vermot)は命令に反して実際には破棄せず、図面や金型を靴箱にしまった上、工場の屋根裏に隠した。